並々ならぬ何らかのアレ

ウキワククソ日記

噂のバイノーラル音声を聞いたらふんわりと気が狂った

狂った世界だ。気が狂いそうな世界だ。

 

俺たち限界オタクはいつだって救いを求めている。

 

社会の歯車として消耗したワイもその一人だ。

 

さて、世間では(オタク周りに限る)、ASMRとやらが流行っているらしく、前々からTL等でその名を目にしていた。

 

ja.wikipedia.org

※ASMRについてはこれ読んで。なんか音声でこう……何? 触覚とかを錯覚させるとかそんな感じ。

 

故に色々と気になっていたのだが、どこから手を出したらいいかわからない、といった状況であった。

 

しかしそれは昨日(2019/11/04)、突如として終わりを告げる。

 

DLsite様で有名声優が録音したバイノーラル音声が無料配布しているというのだ!

 

ワイは一も二もなく飛びついた……。

 

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^^ 

 

だいたい一本二十分ぐらいの作品が三本も無料! 正直太っ腹すぎてDLsite様一生ついてくわってなりました。会員登録したらDLできるのでお手軽なのもGood。

 

さて初バイノーラル音声。ワイはとりあえず一番聞き馴染みのある阿澄佳奈さん演じる『メイドと暮らそ♪くるみちゃんと一緒』

という音声作品を聞き始めることにした……。

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くるみ……愛してるぞ……!

                    ○

 

さてASMR。初手からやばい。

 

第一話のシチュエーションは風呂上がりのワイをメイドのくるみちゃんがドライヤーで髪を乾かしてくれるというものだ。

自分の現実(アラサー独身彼女無しついでに友達もいない)を顧みると泣きたくなるが、それはさておく。

 

左右のイヤホンから甘ーい声で話しかけられるのだが、この状況どっかで体験したことあるぞ? って思ったら催眠オナニーのときの催眠音声だったわ。

 

ちなみに学生時代の話であるが、家族旅行でiPodから音楽流そうぜって話になり、適当にシャッフル再生したら催眠音声が流れて慌てて消した記憶がフラッシュバックしたが頭の奥底に埋めておいた。気持ちいいでしょ?

 

本題に戻る。

 

とにかく音の臨場感というか、リアル感が半端ない。

 

ドライヤーの温風が耳の穴に入ってブワッてなる感触を、マジのガチで実際に感じているような錯覚を覚える。

 

「ふわわっ!?」

 

ってなった。

 

さてメイドのくるみちゃん、ドライヤーでワイの髪を乾かしながら「ご主人様髪伸びましたね」とか色々優しく語りかけてくれる。

 

つい異性にかけられた言葉が「消えて」だったワイはその時点で変な涙が出そうになった。

 

あとくるみちゃん、ことあるごとに「ご主人様は身だしなみちゃんとすればかっこいいんですから」的なことを優しく連呼して、なんていうかその……ワイは……泣いた……。

 

中坊の頃、あまりにもファッションセンスがあんまりなワイ(ジーパンシャツイン)を見かねたオカンがファッション雑誌を買ってきた記憶がフラッシュバックして……泣いた。

 

                   ○

 

その後も音声は続く。

くるみちゃんはドライヤー、耳かき、爪切り、添い寝と全四シチュで、ワイにめっちゃ優しくしてくれた。

 

ドロッドロに甘やかしてくるくるみちゃんに、ドロッドロに甘やかされたワイはひたすらにオギャった。

 

聞き始めたときこそ「いやそれはないやろ〜www」みたいなノリだったワイも、添い寝あたりになると「……くるみ……好きだ……」というキモオタ・ムーブメント全開で体の内から湧き出るエモーションに自我を溶かしていた。

 

俺の聴覚には確かに世界が広がっていた。

無味乾燥で殺伐とした現実の世界じゃない。

優しく、温かく、柔らかい、虚構の世界だ。

俺は自身の現実を投げ捨てて、この世界にずっと浸っていたいと思った。

 

けれど、それは叶わない。

音声は終わりを迎え、再生が止まる。

ぷつり、という小さな音がイヤホンから聞こえたとき、俺は優しい世界の終焉を悟った。

 

目を開き、布団から出る。

暗がりに慣れた目で、すぐさまルームライトのリモコンを探し出す。

明かりをつけると、六畳一間に、ぽつりと一人で佇む自分がいた。

 

もう一度、泣いた。